魚の感想

twitterの外付けの感想置き場として使っています。

おじさんかき揚げアップデート

世の中では、認識のアップデートが必要だと叫ばれている。

主にジェンダーの多様性や、女性差別となる言動について向けられることが多い言葉だ。

そしてこの言葉は、ざっくり言うとおじさん世代や大組織に対して使われることが多い気がする。若者や女性グループがおじさん達やあらゆる権力に向けて使うイメージがある。

 

良いことか悪いことかは置いておいて、メディアではこぞって“認識のアップデート”が叫ばれているにもかかわらず、“やらかし”は絶えない。

おじさんや大組織のような、凝り固まった認識・価値観を変えさせるのは簡単なことではないのだ。

僕も先日、似たような目に遭った。僕も、おじさんの認識がアップデートされないことによる被害者なのである。

 

今回のブログは社会派だ。だが、内容はくだらない。

 

僕は平日毎日のように50代後半のおじさんとランチに行っている。

なぜ? と思ったかもしれないが、細かいところまで書いていくと面倒くさいので、省く。

とりあえず、バブル世代くらいのおじさんと一緒に働いていて、毎日2人で仲良くランチに行っているのだ。まぁまぁ気を遣っているが、だいぶ打ち解けてきたので最初よりは慣れた。

 

ランチの店は飽きないように毎日ローテーションする。

月曜は居酒屋ランチへ行き、火曜はタイ料理、水曜はうどん───といった感じだ。

 

事件はいつもうどん屋で起きる。

 

僕とおじさんが行くうどん屋はウエスト(九州で展開しているうどんチェーン店。焼肉ウエストというのもあるぞ)だ。

エストにはかき揚げうどんという人気メニューがある。ウエストのかき揚げは美味い。だがちょっとデカイ。

 

このかき揚げのサイズはワンサイズだけみたいで、かき揚げうどん、かき揚ぶっかけうどんかき揚げ丼など、かき揚げが付いてくる全てのメニューで同じサイズのデカイかき揚げがドンッと乗ってくる。

1番ボリューミーなメニューはかき揚げ丼+うどんセットだ。

丼もの+うどんのセットは他にもミニカツ丼+うどんセットや、ミニイカ天丼+うどんセットなどのバリエーションが存在する。

 

お気付きの方もいると思うが、他の丼もの+うどんセットはミニ丼なのに、かき揚げ丼のセットだけはミニではなく通常サイズで出てくるのである。

デカイ。なのに値段は他のミニ丼セットとあまり変わらないので、大食漢の方にはとてもお得だと思います。オススメです。

 

話がズレた気がする。

とにかくウエストのかき揚げ系を頼む時は、自分の腹の具合と相談して注意しなければいけない。

かき揚げの量を見誤ってしまうと腹がピーピーになってしまう。

 

ところで、僕とランチに行くおじさんの好物は揚げものなのである。

ゆえにおじさんは今まで何度もかき揚げ系のうどんに挑戦し、敗戦している。残している。

残すだけならまだ良いが、頑張って食べて、午後からお腹痛くなって、仕事のパフォーマンスを落としたりしている。それは困る。

 

おじさんは、かき揚げ丼+うどんセット(大ボリュームのやつ)がダメだったら、次の週はかき揚げうどんに挑戦し、負けていた。

かき揚げのサイズは全部一緒なんですよ? 大丈夫ですか?」と釘を刺しても聞く耳を持たない。

よっぽど揚げ物が食べたいのだろう。

 

さらに次の週になったら

「このかき揚げ丼+うどんセットは、丼の方はミニかなぁ?」とか聞いてきた。

アンタそのセットは先々週注文してドデカセットに惨敗したヤツでしょうが! と心の中で叫びつつ、口では丁寧に

「それは通常サイズのかき揚げ丼だからめっちゃ量あります! 苦しいと思います!」と注意喚起しても、

「ん〜いけそうな気がする!」と言って注文して、残していた。

 

「これ、量多すぎない?」

というのが、おじさんがかき揚げ系に挑戦した時のお決まりのセリフだ。

 

だからいっつも量多いですよって言ってんじゃん! なんで毎回忘れるんだよ!?

 

本当に、これは一体どういうことなのだろうか? 単純に忘れてる? 覚えてるけど大丈夫だと思っちゃう?

それとも残す前提で注文しているのか? 分からない。

分からないけれど「これ、量多すぎない?」と言っているあたり、かき揚げは量が多すぎるという認識を自分の中にアップデートしていないように見える。

 

正直、おじさんがかき揚げうどんを注文しようとするたびに「大丈夫ですか?」と一声かけるのも面倒になってきている。

もう何も言わなくてもいいのかな? でも、真意はどうであれ「量多すぎない?」という言葉の中には

「お前なんで教えてくれなかったの?」

というニュアンスも含まれている気がするので、ひとこと言っておくことで予防線を張っておかないとなんだか怖い。

それに、僕が「かき揚げは量が多いですよ」と言うのを止めたら、おじさんの認識はずっとアップデートされないまま旧時代に囚われ続けてしまうかもしれない。

 

だが、そのアップデートが行われるのはいつなのだろうか?

 

そして、かき揚げですらアップデートにこれだけ苦労するのだから、複雑な社会問題の認識のアップデートというものはどれだけ大変なのだろうか?

そんなことを思いながら、僕は丸天うどんとかしわおにぎりを注文するのだ。