今日、昼休みに牛丼を食べた後会社にもどっていたら、道の端っこにサイフが落ちていた。まごうことなくサイフだった。ご丁寧に千円札が何枚かはみ出していたから見間違えようがない。
「サイフが落ちてる…」
思わず距離を取った。不用意に近づいてはいけない気がしたから。
もちろんやましい気持ちも湧いてきたことは否定できない。最近の僕はあまりお金が無くて、ここのところ毎晩ご飯にシラスをかけて食べている。あの数千円がノーリスクで手に入るならば正直ほしい…。でもここは真昼の歓楽街で人目が多くて、サイフを盗むのは悪いことなので、さすがに変な考えは一瞬で過ぎ去った。
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