魚の感想

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生物多様性の本を読んで働かせた妄想の雑記

生物多様性についての本の中に、絶滅危惧種の人工繁殖の話があって興味深かった。絶滅危惧種の人工繁殖といえばトキを思い起こすことが多いと思う。日本産のトキの人工繁殖は最後に残された6羽で取り組まれたのだが、失敗し、日本産のトキは絶滅してしまった。現在、佐渡で人工繁殖されているのは中国産のトキである。

このことはなんとなく知っていたのだが、インターネッツでトキについてもうちょっと調べてみたら、順調に増えて野生に返された結果、田んぼを踏み荒らすなど元々の害鳥としてのポテンシャルを発揮し始めたという話が面白かった。

 

日本産のトキの失敗は6羽という少なさだったらしょうがないという気持ちになるが、世界では同じような状況から復活した種もいるらしい。

 

モーリシャスモーリシャスチョウゲンボウという鳥は、トキと同じく6羽(しかも2羽は繁殖能力が無かったらしい)しか残っておらず「もう絶滅は確実なのだから、資金と手間を別の種類の鳥の保護に投じた方がいい」なんて意見が出たらしいが、奇跡的に復活して2005年の生息個体は800〜1,000羽になったらしい。

 

ニュージーランドのヒタキという鳥も、人工繁殖のために残されたのは3羽のオスと2羽のメスだけ、しかもメスのうち有精卵を産めるのは1羽だけで、その1羽はおばあちゃんという壮絶な状況から個数を回復させて、250〜300羽になっているらしい。300羽全てが1羽のイブ(ババアのイブ)の子孫ということになる。すごい話だ。

 

鳥のこういう人工繁殖の話を知っていくと、アダムとイブの話もあながち間違いではないような気がしてくる。人間は最初は1組のペアから始まっていてもおかしくないかもしれない。

 

そうだ、SF的に妄想を広げていこう。

サルからヒトへ進化した時の中間であるミッシングリンクはまだ見つかっていないという。それをいいことにSF界ではミッシングリンクを埋めるための様々な舞台装置が用意されているものだ。今回僕が妄想したのは、人間が絶滅に瀕した時に高次の存在がヒトを人工繁殖し、ヒトの個体数を回復させたという舞台装置である。

 

つまり、今の人間が鳥に行っていることを高次存在が過去に行っていたのだ。そして地球をヒトの保護区にしている。これがアダムとイブのような神話の名残りとなっているし、ミッシングリンクが見つからない(個体数が絶滅間際だったので見つかりにくい)原因なのである。

高次存在がヒトを保護する目的は何か? それはそのまま我々人間が生物多様性を守る理由だろう。そして人間がある程度のレベルに達した時、我々は高次存在に何かしらのサービスの提供を求められるのかもしれない…。

 

という、「幼年期の終り」と「星を継ぐもの」のパクリのような妄想をした。