魚の感想

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24人のビリー・ミリガンの感想(読みにくかったけど読んで損はない)

こんにちは、小学生の頃一瞬だけ文学少年だった魚の精巣です。

 

「24人のビリー・ミリガン」というノンフィクション小説を読みました。

 1977年、オハイオ州で連続レイプ事件の容疑者としてビリー・ミリガンという22歳の青年が逮捕された。しかし彼には犯行の記憶がまったくなかった。取り調べと精神科医による鑑定を行ううち、彼の内部には24の別人格が存在しており、犯行はそのうちの1人によるものだったという驚愕の事実が明らかになる。それまでほとんど知られていなかった「多重人格」という障害を広く一般に知らしめ、日本でも一大ブームを巻き起こした記念碑的作品。

 (Amazonの紹介文より)

 

この本、2年前に買ったんですが途中で何度も面倒くさくなったり忙しくなったりして、放置していたのをやっと読み終わりました。

めちゃくちゃ読みにくいんですよ……。

 

今回はその読みにくさと、こんな人にはオススメできるんじゃないかなぁ、という話をしていきたいと思います。

 

だいたいどんな話かは【ビリー・ミリガン】で検索したら大量に出てくるんで、あらすじはズバッと省きます。

 

 

読みにくさ

まずは「24人のビリー・ミリガン」がいかに読みにくいか紹介していきます。

途中で何度も放置しつつも読破した僕の奮闘を少しでも褒めてほしい。

 

 

読みにくさ1.主人公が24人いる

”24人の”なんてタイトルなところから余裕で想像できますが、主人公のビリーの中にはビリー以外に24もの人格があり、それぞれが自分の欲望のままに好き勝手生きます。

実際によく出てくる人格は10人弱くらいなんですが、唐突に新キャラが出てきたり、消えたと思った人格が実は残ってて懐かしキャラとして出てきたりするので、毎回「お前誰だよ!?」となって疲れます。

 

 

読みにくさ2.各人格の性格を覚えておく必要がある

各人格には、まとめ役、戦闘力が高い、鍵開け、コミュ力が高い……などそれぞれ能力があって、性格も全然違います。

 

作品内では

”ここでダニーではなく、デイヴィッドが出てきた”とか

”アーサーはアレンが出てくるのを待ったが、トミーが出てきた”などと、人物名だけで人格のチェンジと状況の変化が語られます。

 

こんな感じで彼らの性格と能力の違いを理解している前提でどんどん話が進んでいくので、上巻の巻頭にあるキャラ紹介を何度も読み返して復習しながら読んでいました。

疲れます……。

 

 

読みにくさ3.たまに誤字がある

たまに誤字があってストレス

 

 

読みにくさ4.ドクターも20人くらい出てくる

主人公の中に24人も人格がいるうえに、彼にかかわる精神科医が合計20人くらい出てきます。

ドクター・コールとかドクター・ハーディングなど、ドクター・○○という表記なので、性別すらよくわかりません。

さらに精神科医の業界も一枚岩ではなく、多重人格の肯定派と否定派で真っ二つに分かれているので、どのドクターがどっちの派閥なのかを理解していないといけません。

とにかく疲れます……。

 

 

読みにくさ5.総登場人物が60人くらいだ

それ以外にも、検事や弁護士、レイプの被害者、ほかの精神病院の患者などを合わせると合計60人くらいにはなるんじゃないかと思います。ちゃんと数えたわけではありませんが……とりあえずメチャクチャ多いので、全員の名前を覚えるのはあきらめた方がいいです。

 

 

読みにくさ6.手紙の内容が支離滅裂

ビリーが獄中から出す手紙の内容が、毎回違う人格が書く内容なので支離滅裂でムチャクチャです。レイゲンという人格に関してはセルボ・クロアチア語で手紙を書きます。わかんねぇよ。

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ちゃんと後ろに日本語訳があるけれど、最初はそれが訳だと気付かずに困惑しました。

 

こんな人にはオススメ

ここまでさんざん読みにくさをディスっておいてなんですが、話の内容的には面白く、興味深く、勉強になるものでした。読む価値は十分にあります。

 

しかし、とにかく読みにくい。ハードルが高い……

そこで、ここからは「こういう人にならオススメできるから、読んでほしいなぁ……」ってパターンを示します。当てはまって興味がある方は是非読んでみてください。

 

 

こんな人にはオススメ1.自分は多重人格なのでは? って人

「自分はもしかしたら多重人格者かもしれない……」って人にはオススメしたいです。

自分は確実に多重人格者ではない。という自信がつきます。

逆に多重人格者かもしれないという疑いが晴れなかった人は、お願いだから今すぐ精神科を受診してください。

 

この本を読むと、たまにいる「やべぇ~オレ多重人格かもだわ~」とか言っちゃう人を、より一層冷めた目で見てしまうようになりました。この本は、多重人格障害解離性同一性障害)とは一体何かを知るための素晴らしい入門書です。

 

 

こんな人にはオススメ2.精神医学に携わるような人

僕は精神医学の専門ではありませんが、すこしでも携わっている人は読みやすいのではないかと感じました。

また、このような精神障害にかかわる事件があると、専門分野外の素人や社会がどういう反応をしていくかが詳細に書かれています。

 

そのため、社会の反応を見るという点では、多重人格障害の専門かどうかにかかわらず為になるのではないかと思いました。

 

 

こんな人にはオススメ3.1970年代のアメリカ文化に詳しい・興味がある人

僕は1970年代のアメリカ文化に疎いので、当時の流行や社会情勢が全く分からず、読みながらストレスでした。

なんで普通に麻薬やショットガンを買えたり、トイレでゲイが襲ってきたりするんですか?

そこらへんの文化がよく分からないので、ノンフィクションなのにリアリティが弱く感じてしまいました。逆に詳しい人や興味がある人にはオススメできそうです。

 

 

まとめ

いっぱい書きましたがまとめます。

  • 「24人のビリー・ミリガン」は読みにくい
  • 頑張って読めば、多重人格障害とは何か? が分かる
  • 気軽に「多重人格だ」と言わないようになる。
  • 精神医学やアメリカ文化に興味がある人にオススメ

以上です。長々とお付き合いいただきありがとうございました。

 

これからもブログでは映画、本、アニメの感想をどしどし書いていけたらなと思います。

 

感想でした。