会社の近くに500円でランチをやっているラーメン屋があり、よく行く
そのラーメン屋、500円で頑張っているのに客が少ない
ぶっちゃけマズイ。そして経営方針もマズイ
頑張るところが違う、「そうじゃないだろう」と思ってしまう
ラーメンは1種類しかないのにランチでついてくるご飯は
辛子高菜ごはん(激辛)
辛子明太子ごはん(激辛)
白ごはん
の3種類から選べる
「違う、そうじゃない。ラーメンを増やせ」
ラーメンとご飯を一緒に食べたいのに、いきなりご飯を出してくる。ご飯を食べ終わったくらいでラーメンが出てくる
「違う、そうじゃない。一緒に出せ」
麺の硬さを聞いてくるくせに全部"やわめ"だ
「違う、そうじゃない。ちゃんと聞け」
店主の滑舌が悪くてなんて言ってるか分からないのもマイナスポイントだ
前のテナントがテニスショップだった名残で、入り口にテニス選手の壁画が描いてあるのもマイナスポイントだ
……
ここまで来るとちょっと面白くなってくる
今日も僕は、冷やかし半分でそのラーメン屋へ行き、辛すぎる辛子高菜ごはんを食べ、ヒリヒリして味が分からなくなった舌で伸びきったラーメンを食べる
客は他には居ない
貸し切りなのでふんぞり返って置いてあるTVを眺め、堂々と長居してやった。どうせこの調子だと潰れる店だ
……
500円を払って帰るとき、「いつもありあとざいます」と滑舌悪く言ってきた店主が、深く頭を下げていた
「違う、そうじゃない。そんなんじゃないんだ……」