魚の感想

twitterの外付けの感想置き場として使っています。

タワマン文学(SF)

10階より下の住人は空気を吸えない。

12階の私達家族は下層階から伸びてくる集気ノズルの目の前で暮らしているので、妻は上層階の奥様達から、汚い空気が目の前に出てるんでしょ? 大変なのね。なんて嫌味をよく言われると愚痴るが、私達の運の良さをもっと噛み締めて欲しいものだ。

中層階の部屋を瘴気が覆う前に買えたことは本当にラッキーだったとしか言えない。中層では低層の住人が手に入れた食糧を上層に運ぶことだけが仕事だ。それだけで明日の空気の心配も不要だ。

 

……とはいえ上層の傲慢さは気になる。先日の住人理事会で決まった、食糧の配分順を上層、中層、低層の順にする取り決めは、あまりにも上層の意見を優先し過ぎだった。

一度全ての食糧を上層にエレベーターで運んでからゆっくり階段で下ろした方がエネルギー効率が良い、という意見は確かに一理あるが、これでいいのだろうか?

 

すべての住人の生活を支えているのは低層の住人達だ。彼らが納得しないまま意見を通すのは嫌な感じがする。

 

低層が言うことを聞かなければ、ダクトを塞いでしまえと言っている人もいるらしい……本当にそうなったらその仕事は中層の住人にやらせるのだろう。

魚の朝食 ソーセージエッグマフィンセット

普段は朝食を食べないタイプなのに、ひょんなタイミングでたまに食べたりする。たまにしか食べないので頭がフワフワしている状態で食べる。眠い。

 

そんな僕の朝食レビュー

 

前回から随分時間が経ちましたが第二回です。

 

shirako-dayo.hatenablog.com

 

お前2年も朝ごはん食ってないのか? って思うかもしれませんがそんなことないです。

 

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昨日は早く出社しないといけなかったので20分早く家を出たのだが、別に早く行かなくていい今日も20分早く家を出てしまった。

おかげで20分時間ができてしまったので朝マックに行くことにした。

 

頼んだもの

ソーセージエッグマフィンセット(450円)

 ソーセージエッグマフィン

 ハッシュポテト

 コカコーラ

 

ソーセージエッグマフィンセットを持って席を選ぶ。

平日の朝マックには、余裕かましているサラリーマンと、暇を持て余した学生と、明らかにヤバそうな人しかいない。

その全ての人間の近くを避けた席に座る。

 

朝マックといえばハッシュポテトだ。

ハッシュポテトの辺縁を齧る。朝から食べるには贅沢過ぎてしまうカリカリの食感を味わう。

ほぼこれが"朝マック"と言っても過言ではない。

幾度か齧った後はソーセージエッグマフィンに手をつけよう。

 

肉の塩辛さが美味しい。

チーズの塩辛さが美味しい。

塩分に塩分を重ねて行くスタイル。

 

この、朝マックのパンの硬さが好きだ。柔らかい具に良い歯ごたえを与えているベストな硬さのパンだ。

 

ちなみにタマゴはどこにいるのかよく分からない。だが、いなければ寂しくなるのだろう。

とりあえず肉の塩辛さで完全に"なり"を潜めている。

 

あれ? よく考えたら朝からこんなに塩辛いものを食べていいのだろうか?

 

コーラをグビグビ飲む。僕はコーヒーじゃなくてコーラ派だ。

炭酸の爽快感がノドを洗う。

甘味が舌に残った塩辛さを打ち消して、まだまだ食べたくなってくる。

 

ハッシュポテトをもう一度齧る。

糖と油の凝集体。よく考えたら朝から油っこすぎる。

 

コーラで追い討ちをかける。よく考えたらこいつはほぼ糖の飲料である……。

 

塩分、油分、糖分のラッシュアワー

到底30代男性が朝から摂取していいものではない。だが、食べてしまう。早起きしたから。

 

朝から450円のジャンク食生活。身体に負荷をかけて今日を乗り切る。

早起きは三文の得、ではない。

早起きは朝マック。そして3分(塩分、油分、糖分)を摂るのだ。

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次回は、果たしてあるのか無いのか。

怪談募集に投稿しようとしたけど長すぎてやめたやつ

僕が大学の研究室で体験した話です。

当時大学4年生で研究室に配属されていた僕は、夜中の研究室で寝ていました。

というのも僕の研究室はフィールドでサンプルを採って分析するタイプの研究をしていて、そのフィールド調査の集合時間が早朝だったりするので、早起きが苦手な僕は最初から研究室で寝ておいて、後から来た同級生や先輩に起こしてもらうということをよくやっていたのです。

 

寝る場所は、研究室の”サンプル部屋”というところです。

この部屋はフィールド調査で採ってきたサンプルをケースに入れて保管しておいたり、サンプルにちょっとした処理をするためのテーブルがあったりする部屋なのですが、その中に何故か折り畳み式の簡易ベッドがしまってあるのです……。

 

これは僕と同じようなことを考えた歴代の先輩達に愛用されてきたベッドで、その年季が入った様子は誰でも使用を一度はためらわせるものでしたが、僕は慣れてヘビーユーザー化していました。

 

しかしながらこのサンプル室、ベッドがあるにもかかわらず快眠できません。

冷凍保存しないといけないサンプルのために、大き目の冷凍庫が置いてあり、こいつがいつも「ブーン」という機械の音を出していて耳障りなので、実際に寝ようとすると難しいのです。

 

その日の夜も、僕は「ブーン」という冷凍庫の音をわずらわしく思いながら、早朝のフィールド調査のために頑張っていつも通り寝ようと努力していました。

 

正確な時刻が分からないのですが、けっこうな夜中だったと思います。浅く眠っていたらしい僕は、何かの気配を感じて目覚めてしまったのです。

僕が寝ている部屋の前の廊下に、どうやら誰かいるような物音がするのです。冷凍庫のブーンという音が邪魔でよく分からないのですが、どうやら何かブツブツ喋っているような声がします。

 

「こんな時間に誰だ?」と思ったのですが、今の僕と同じような状況の他の研究室の人か、警備の見回りだろうと考えてスルーすることにしました。

 

するとその人が、ガチャ、バタン、とやってどこかの部屋に入っていく音がしたのです。これで僕は確信しました。あの人物は僕と同じ研究室に所属している誰かでしょう。

ドアの音の大きさや方向的に、開けられたドアは研究室のメインの部屋(個人のパソコンとかが置いてある部屋)だし、メインの部屋のカギは研究室の学生か教授しか持っていないからです。もちろん深夜ですから、研究室はすべての部屋を施錠しているので、無理やりでもない限りドアを開けられるのは研究室の誰かということになります。

 

おそらく誰かが忘れ物を取りにやってきたのでしょう、実はこの時の僕は急な来訪者に少しビビっていたところもあったので、研究室の顔見知りであるならば、ささいな復讐として急に挨拶してビックリさせてやろうという気になりました。

そう思ってベッドから起き上がろうとした時でした。

 

サンプル室のドアの上の方はガラスになっていて、廊下の天井が見えるのですが、そこが全く光っていないのです。

 

つまり、いま来ている人物は、廊下を真っ暗にしてここまで来たということになります。その人物は、今はメインの研究室の中にいると思われるのですが、その部屋からもれる明かりすらありません。部屋の外は完全な闇だったのです。

 

深夜の学校に来て、電気を点けようと思えば点けることができるのに、わざわざ真っ暗な中忘れ物を取りに来たりするでしょうか? 僕はとっさにもう一度ベッドの毛布を被りました。「これは何かヤバイかも」と思ったのです。

 

その人物はメインの研究室の中を歩き回っているような感じですが、相変わらず電気は点いていません。かすかな物音や声のようなものが聞こえますが、ブーンという例の冷凍庫の音が邪魔でよく聞こえないのです。

 

僕は体中が鳥肌になっていましたが、頭の中には冷静な部分があり、

「もしかしたら自分が寝ていることを知っている人で、気を遣って電気を点けていないだけかもしれない」

とか

「これは最悪だが、カギを持っている空き巣かもしれない」

などと必死に考えていました。

いずれにしても、不気味な来訪者に対して、早くどこかに行ってほしい気持ちで毛布を被り続けたことは言うまでもありません。

 

すると突然、かなり近くで「ガチャン!!」と音がして「ギッ……」とドアが開く音が続きました。

そいつが僕の寝ているサンプル室にも入ってきたのです。

 

「こっちにも来るのかよ!?」

僕はかなりうろたえました。そいつが部屋の中を移動していることが感覚やブツブツ言っている声の位置の微妙な変化で分かるのです。

僕は毛布を頭から被っていましたが、他の感覚がいつもよりも研ぎ澄まされていました。しかしそいつが何を言っているのかだけは、冷凍庫のブーン音が邪魔でどうしても聞き取れないのです。

もう一つ分かったのは、そいつはスマホのライトといった明かりも使っていないということでした。ライトを使っているならば、毛布を被っていても隙間から明かりが見えるはずです。それが見えなかったのです。そいつは本当に暗闇の中を移動していました。

 

この時の僕は本当に全身鳥肌状態だったのですが、感情的には恐怖というよりも怒りの方が強くなっていました。

「もういいから早くどっか行ってくれよ!!」という感じでした。幽霊的な恐怖よりも、気味が悪い物に対するひたすらな嫌悪感……といった感じです。

もちろん恐怖も十分にあったので絶対に目が覚めていることを悟られてはならないと思い、必死で息を殺して毛布を被っていました。

 

そしてそいつは、僕が寝たふりをしている簡易ベッドへと徐々に近づいてきたのです。

 

そいつが自分のそばに来ていることがはっきりと分かったのは、冷凍庫の「ブーン」の音よりも、そいつの声の方が大きくなり、何を言っているのか聞き取れるようになったからです。

「どこかなぁ どこかなぁ」

とそいつは言っていました。気持ち悪いのは「どこかなぁ」としか言わないことです。

そして、常に一定の間隔で「どこかなぁ どこかなぁ」と繰り返しているのです。

 

「どっか行け! どっか行け! どっか行け!」

僕は頭の中で繰り返しました。

ほんの数十秒後、そいつの気配はまた遠ざかりました。僕を素通りしたのです。そしてまた少しした後

「ガチャ」「バタン」

と音がして、気配は完全に消え、後には「ブーン」というあの冷凍庫の機械音だけが残ったのです。

 

その日の早朝のフィールド調査は非常に眠かったことは言うまでもありません。

それ以来、大学を卒業した後も、冷凍庫や古い蛍光灯の「ブーン」という音が少し怖いです。

特に冷凍庫は、開けるときに一瞬身構えてしまうようになってしまいました。

ジュラシック・ワールドの感想

感想の前にちょっと語る

ジュラシック・パークというのは罪深い映画である。

コハクの中に閉じ込められた蚊が吸った血液から、絶滅した恐竜のDNAを取り出して復活させるというアイデアは、原作者のマイケル・クライトンの完全な妄想ではなく、当時の古代DNA研究者へインタビューした内容から着想を広げたものであり、それゆえにリアルさのある素晴らしいSF的発想であった。

恐竜復活アイデアの現実味だけではなく、映画「ジュラシック・パーク」がアメリカ全土に公開される前日に、ネイチャー誌が中生代のゾウリムシの一種のDNAをコハクの中から得ることに成功したという論文を掲載する(1993年6月10日)という、今で言う“匂わせ”をして世間ウケを狙ったことは、「コハクの中から恐竜のDNAを取れば恐竜を復活させることができる」という夢を人々に抱かせるには充分だっただろう。

 

夢見る少年・少女だった我々は、大人になるにつれてジュラシック・パークの中の「嘘」に直面することになる。

仮に恐竜のDNAを手に入れたとしても6,500万年の年月ではDNAは劣化していてほとんど使い物にならない。足りないDNAの部分は他の生物で埋め合わせるというのがジュラシック・パークのアイデアだが、その方法とは何か……。そもそも手に入れたDNAが恐竜のDNAだと証明する方法が無いのである。

それに、ディロフォサウルスはエリマキトカゲみたいじゃないし、プロレスラーみたいに毒を飛ばしたりもしない。あとヴェロキラプトルはあんなに大きくない。

 

大雨の中でティラノサウルスTレックス)が車を襲うシーンの撮影をした後、スピルバーグが「この映画の主役はTレックスだから最後にTレックスを出さなきゃ!」と言ったせいで、ラストシーンで唐突にTレックスがラプトルに食ってかかる(文字通り食ってかかった)ことになってから約30年。僕らのTレックス像は不可侵領域に入ってしまっている。

Tレックスはこうあるべき」という思想のせいで、ジュラシック・パーク3Tレックスがスピノサウルスに負けたことに納得できなくなったりしているのだ。

 

そんな主役のTレックスについて、現実では、トカゲのようなウロコボディではなく羽毛が生えていたのではないかという議論があったが、まだ完全な決着がついていない。羽毛がモフモフだったことはないにしても、一部に毛が生えていた可能性も否定できないのが最近の説らしい。

これから先、従来のTレックスの造形を本格的に見直す必要が出た時、我々は素直に認識をアップデートできるのだろうか?

 

僕らはジュラシック・パークの夢の恐竜と、最新研究で明らかになっていく本当の恐竜との間のギャップに苦しめられているいい年した大人なのである。

そんな元恐竜キッズはジュラシックシリーズの最新作であり完結作である「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」を見てどういう感情になるのだろうか、少し怖い気もしたが、公開日に見にいった。

 

感想

結論として、まず恐かった。

日常生活の中で事故的に恐竜と出くわすことの恐ろしさがよく分かった。街の中でキックボードに乗っていたらいきなり食われるのとか嫌すぎる。

 

それにオーウェンさんが強すぎる。なぜ回を増すごとにゴリラ化していくのか。

あと、恐竜が正面を向いて目の前でバクンッ! というカットが多い。3D映像のアトラクションみたいだ。ビビリな僕は割とビクンビクンしていた。

 

ディテールを挙げるとネタバレになってしまうので書かないが、全体を通して「ちゃんと最新の恐竜トレンドを勉強したよ。それを分かってて俺たちはこれを出すぜ! だってお前らジュラシック・パークが大好きなんだろ!?」という感じだった。制作側は絶対に分かってやっている。

〇〇サウルスは絶対そんなことしないだろ! そいつ恐竜じゃなくてワニの仲間だろ! お前ら“これ”を出したいだけだろ! となったところがいっぱいあった。

 

だが、アホぶる一方でビジュアル的に華があるトレンド恐竜を出してきたりもするので、最新の研究内容等を絶対分かっててやってるはずなのだ、確信犯のはずだ。

特にTレックスが〇〇〇〇を食べるところとかは最新の学説を知っていないと出せない。分かっててやってやがるのだ、間違いと分かってて〇〇サウルスを出しやがった! しかも3体も!

 

我々が悩み続けてきた理想と現実の恐竜のギャップに対して「最新の研究成果の美味しいところだけ貰っていくが、“ジュラシック”は“ジュラシック”の恐竜で行くぜ」というメッセージを感じた。

それに対してジュラシック・パークで色々こじらせてしまった大人達には良い処方箋かもしれないという思いと、また苦しむ恐竜キッズが増えちゃうじゃないか! といういい加減にしてほしい気持ちが両方生まれた。

やはりジュラシック・パークは罪深い映画である。そして僕らをドキドキさせてくれるのだ。

 

総評

ダラダラ書きすぎた……申し訳ないので以下短く総評。

新規性のあるSF的なアイデアは無いのでSFで満たされるタイプの満足感は得られない。ただ、恐竜映画としては革新的な恐竜を出しているので、そこはよくぞやってくれたという感じ。

基本的にジュラシックシリーズのお祭り的な映画である。

ジュラシック・パークの1作目を見直して行くとより楽しめるかもしれない。ジュラシックシリーズが好きなら、恐竜の声とか大画面を楽しむために絶対映画館で見といた方が良い。

僕は好きです。

 

2つ目の階段

仕事で出向いている会社のビルを登る時、まだ夏の暑さが気にならなかった時期は、ビルの階段を使っていた。健康診断の結果もあまり良くなかったし、少しは運動しておかないといけない。

 

そのビルの階段は暗い。照明は各階の表示灯になっている蛍光灯と、非常口の緑色の光しかない。

空気も悪い。1階のエントランスからの入り口も含めて全ての階の出入り口がドアで締め切られているからだ。空調も無い。

でも意外に人の出入りは多い。人とギリギリすれ違えるくらいの狭い階段なので、すれ違う場合は気を遣って少し身をよじる必要がある。

 

ビルのエントランスにはその階段のドアがあるわけだが、そのドアの近くにも似たようなドアがある。

会社の人に「こっちのドアの向こうはなんですか?」と聞いたら「そこは階段だよ」と言われたので混乱してしまった。そのドアを開けると確かに階段が出てきた。まるでもう一つの階段をコピーしたような階段が光量の足りない薄緑色に照らされている。

最初は全く同じ階段に見えたので、1つ目の階段に繋がる別のドアなのかと思ったがそんなことは無かった。このビルに2つ目の階段があるということを、この時初めて知ったのだった。

 

あまり大きなビルではないのに2つも階段があるのは不思議に思ったが、おそらく建築法みたいな法律で2個作ることが決められているのだろう。それにしても2つの階段の距離が近い気がする。

 

ところで、僕は2つ目の階段をまだ使っていない。なぜか2つ目の階段を使う気分にならなくて、そのうち真夏になってしまい暑くてエレベーターを使うようになってしまった。なぜ不思議がっていたのに「今日は試しにこっちの階段を使ってみるか」という気分にさえならなかったのか、それは分からない。

 

もう一つ奇妙なことは、オフィスのあるフロアから階段につながっているドアがどれか分からないということだ。

当然、僕が知らないというだけで、探せばあるのだろうが、逆に探しても無かった場合どうすればいいのだろうか。

 

僕は2つ目の階段の入り口を少し覗いてみただけなので、2つ目の階段の先に何があるのか知らない。

エントランスにある2つ目の階段を上った先にあるのはいつものオフィスなのだろうか。ひょっとしたらその先にあるのもコピーされた何かかもしれない。

そんなことないか。

生物多様性の本を読んで働かせた妄想の雑記

生物多様性についての本の中に、絶滅危惧種の人工繁殖の話があって興味深かった。絶滅危惧種の人工繁殖といえばトキを思い起こすことが多いと思う。日本産のトキの人工繁殖は最後に残された6羽で取り組まれたのだが、失敗し、日本産のトキは絶滅してしまった。現在、佐渡で人工繁殖されているのは中国産のトキである。

このことはなんとなく知っていたのだが、インターネッツでトキについてもうちょっと調べてみたら、順調に増えて野生に返された結果、田んぼを踏み荒らすなど元々の害鳥としてのポテンシャルを発揮し始めたという話が面白かった。

 

日本産のトキの失敗は6羽という少なさだったらしょうがないという気持ちになるが、世界では同じような状況から復活した種もいるらしい。

 

モーリシャスモーリシャスチョウゲンボウという鳥は、トキと同じく6羽(しかも2羽は繁殖能力が無かったらしい)しか残っておらず「もう絶滅は確実なのだから、資金と手間を別の種類の鳥の保護に投じた方がいい」なんて意見が出たらしいが、奇跡的に復活して2005年の生息個体は800〜1,000羽になったらしい。

 

ニュージーランドのヒタキという鳥も、人工繁殖のために残されたのは3羽のオスと2羽のメスだけ、しかもメスのうち有精卵を産めるのは1羽だけで、その1羽はおばあちゃんという壮絶な状況から個数を回復させて、250〜300羽になっているらしい。300羽全てが1羽のイブ(ババアのイブ)の子孫ということになる。すごい話だ。

 

鳥のこういう人工繁殖の話を知っていくと、アダムとイブの話もあながち間違いではないような気がしてくる。人間は最初は1組のペアから始まっていてもおかしくないかもしれない。

 

そうだ、SF的に妄想を広げていこう。

サルからヒトへ進化した時の中間であるミッシングリンクはまだ見つかっていないという。それをいいことにSF界ではミッシングリンクを埋めるための様々な舞台装置が用意されているものだ。今回僕が妄想したのは、人間が絶滅に瀕した時に高次の存在がヒトを人工繁殖し、ヒトの個体数を回復させたという舞台装置である。

 

つまり、今の人間が鳥に行っていることを高次存在が過去に行っていたのだ。そして地球をヒトの保護区にしている。これがアダムとイブのような神話の名残りとなっているし、ミッシングリンクが見つからない(個体数が絶滅間際だったので見つかりにくい)原因なのである。

高次存在がヒトを保護する目的は何か? それはそのまま我々人間が生物多様性を守る理由だろう。そして人間がある程度のレベルに達した時、我々は高次存在に何かしらのサービスの提供を求められるのかもしれない…。

 

という、「幼年期の終り」と「星を継ぐもの」のパクリのような妄想をした。

 

 

 

 

 

 

 

ボクシング、日本の人勝ったなぁ日記

職場の人が「今日のボクシングはアマゾンプライム入ってるなら見とくべき」と言うので職場での話題に困っている僕は正直全然興味の無いボクシングを見ることにした(ライブじゃなくてアーカイブで)。

 

ちなみに僕のボクシング知識は、だいたいのルールと、刃牙はボクシングには蹴り技が無いと思っていた時期があるということぐらいで、選手の名前とかは全然分からない。

 

アマゾンの番組は全部で2時間以上あったので流石に全部見るのは辛い。とりあえず半分までスクロールしたら日本人同士が試合をしていた。

日本人対外国人のはずなのでなんか違う。一度に何試合かやるのかな? 

もう少しスクロールしたら、また日本人同士で試合していた。まだ違うのか。

少しずつスクロールしていったら、いきなり日本人が勝って外国人が負けてる場面が出てきた。早いなぁ……

 

少しさかのぼったら試合は5分くらいで終わっていた、早い。すごくコスパの良い試合だなとぶっちゃけ思った。それにしても早い、vtuberの切り抜き動画ですらもうちょっと長いのがいっぱいあるぞ。

 

結果は分かったのだが、ちゃんと試合開始から見てみた。

どうやら相手はフィリピンの選手らしい、フィリピンといえばキックボクシングやムエタイのイメージだし、ボクシングも強そうだ、日本人勝ててよかった。

 

フィリピンの選手はベルトを1本持っているらしかった。日本の選手はベルトを2本持っていたので、実力的には日本の選手の方が上だったのだろう。

ところでこの場合、もしもフィリピンの選手が勝っていたら2本のベルトのうちどちらか好きな方を持っていかれるのだろうか? それとも2本とも持っていかれるのだろうか? そこらへんがイマイチ分からない。

 

試合の内容を見たが、「達人同士の戦いは素人が見てもよく分からない」というのはこういう事かという感じで、何が起きているのか全く分からなかった。気付いたらフィリピンの選手が倒れていた。

 

なんか「シュッ! シュッ!」って言いながら殴っていたと思う。あれは口で言ってる音だよね? パンチが空気を切り裂いてあんなにデカイ音が出ているわけじゃないよね? 口だよね?

 

試合の後、フィリピンの選手がたくさんおじぎをしていた。日本の選手は相手のところまで行って、手を合わせたおじぎをしていた。それも印象的だった。

 

明日僕は何と言って話題を作ろうか? 2時間あったけど5分でしたね! とか言ったら機嫌を悪くされるだろうか、良くされるだろうか。イマイチ分からない。