魚の感想

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落ちてるサイフを無視した感想

今日、昼休みに牛丼を食べた後会社にもどっていたら、道の端っこにサイフが落ちていた。まごうことなくサイフだった。ご丁寧に千円札が何枚かはみ出していたから見間違えようがない。

「サイフが落ちてる…」

思わず距離を取った。不用意に近づいてはいけない気がしたから。

 

もちろんやましい気持ちも湧いてきたことは否定できない。最近の僕はあまりお金が無くて、ここのところ毎晩ご飯にシラスをかけて食べている。あの数千円がノーリスクで手に入るならば正直ほしい…。でもここは真昼の歓楽街で人目が多くて、サイフを盗むのは悪いことなので、さすがに変な考えは一瞬で過ぎ去った。

 

 

スマホを取り出して近くの交番を探してみると、徒歩10分くらいの距離だった。

あと20分で会社に戻って、先輩と上司の打ち合わせに参加しなければならなかったので、片道10分で交番に行くと正直間に合わない。「どこで拾いましたか?」とか聞かれて色々書類を書く時間も結構かかるだろう。

 

上司にサイフを交番に届けるので遅れますと連絡することも考えたけど、具体的に何分遅れるか分らないので、上司に迷惑をかけるような気がしたし、「サイフなんか拾うな」って怒られる気がした。そんなこと無いかもしれないけど、そんなことあるかもしれない…。

どうすればいいか分らなくて数メートル先の野口英世を見つめる。まだ社会人になって日が浅いので「社会の常識」的な優先順位が分からず思考停止した。

 

っていうか普通に人通りあるんだから誰か拾えよ

 

そうか、みんなサイフを拾おうか悩みもせず無視するってことは、きっと落ちているサイフは無視するのが正しいんだ!忙しい社会人はサイフを落としたマヌケの尻ぬぐいのために自分の時間を使うことはないんだ!

 

僕はこんな結論に達して、「この時間なら10分くらい余裕があるから打ち合わせの資料に軽く目を通せそうだ」と思いながら会社に向かって歩き出した。

 

でも、

横断歩道の赤信号で止まったとき、頭の中の厚切りジェイソン

「Why !? ジャパニーズピーポ~!!」

とうるさくて、僕はちょっとだけ引き返してみることにした。

 

かなり遠目から見てみたら、もうサイフは無くなっていた。なんだかホッとした…。

 

ちなみに、打ち合わせはただ話を聞いていればよく、資料も自分には関係なかった。